紘也と小南が楽しそうに笑う様子が思い浮かぶ。
いいな……小南。
……ってダメダメ!紘也のことはもう諦めるって決めたんだから。
「あ、じゃあ私そろそろ出るね」
「いってらっしゃーい!」
カバンを持って玄関に行くと、リビングからお母さんが出てきた。
「小春、出かけるの?勉強もしないで……はぁ、小南を見習ったらどうなの?」
不機嫌なオーラを出して言ってくるお母さん。
まただ。
どれだけ私と小南を比べるの……。
「お母さん!小春は今日、友達と出かけるんだから。邪魔しないであげて」
小南がリビングにお母さんを押し込む。
「じゃ、いってきまーすっ!」
私はその隙に家を出た。



