その大きな手にはなにかが乗っている。
それは……。
「きゃああああ―――っ!!!ご、ご、ご、ゴキブリいいいい!!?」
………ゴキブリだった。
虫が大嫌いな私は素早く成月くんから遠ざかった。
「な、な、なんでそんなもの持ってるの!?」
「あはは……っ、小春予想以上の反応してくれたな。これ、ゴキブリのフィギュアだって」
成月くんは笑いを堪えられない様子で、手招きをした。
ふぃ、フィギュア……?
「えっ」
「よく見てみろよ」
成月くんの手をもう一度見ると、本物にソックリなフィギュアだった。
「ほんとだ……ていうか、リアルすぎるよこれ……」
心臓に悪いなぁ……。
ビックリしすぎてショック死するかと思ったよ……。



