「ほんとだ!」
「はい、どうぞ」
成月くんが現代文の意味調べのプリントを私に渡す。
「ありがとう……っ!お借りしますっ」
よし、さっさと終わらせちゃおう。
借りたプリントを持って、自分の席に着く。
「ねぇ、見た?さっきの」
「小春の方、紘也くんが小南に取られたから次は成月くん狙ってるのかな?」
「えぇーっ!ま、でもあんな根暗なヤツ、相手にされないでしょ」
近くの席の女の子たちの声が聞こえる。
違うよ……違うのに。
でも、仕方ないよね。
成月くんは確かにカッコいいもん。
モテるに決まってる。
だから嫌味言われても仕方ない。
さ、はやくプリント終わらせて返さないと!
女の子たちの声をこれ以上聞かないようにしてプリントを終わらせた。



