「……もう、自分を誰かと比べたりすんな」
「へ……?」
「小春は小春。他のヤツと比べるなんておかしいだろ」
成月くんのその言葉は私の心に響いた。
私は私……他の人とは違う。
小南とは……違う。
「もう絶対に自分の気持ちを押し殺したりするなよ。言いたいことは後悔しないように言え。もし、なにかがツラくなったら俺に言えよ」
「成月くん……」
私の心になにか温かいものが流れてきたように、胸が熱くなった。
「さ、帰るぞ」
「うんっ!」
成月くんは私の初めての友達。
そして初めて私が涙を見せた人。
紘也や小南以外の人なんて信用できないって思ってたけど……成月くんなら、信用できる気がするんだ。