「悔しくなんかないよ。だって私は小南みたいに可愛くないし、運動や勉強もできないし、根暗で地味で……仕方ないんだよ」
最初から勝ち目なんかなかったんだ。
小南に私が勝てるワケがないんだ……。
「……なんでだよ」
「え?」
成月くんは下を向いてボソッとなにか言った。
「なんで……なんで悔しいって素直に言わねぇんだよ……っ!いっつもそうやって小南と自分を比べて……それを言い訳にしてるだけだろ……っ!」
「……っ」
大声で言った成月くんの言葉が私の胸に刺さる。
そうだ……私はいつも小南と自分を比べて……。
「小南は私より可愛くてなんでもできるから」って自分に言い聞かせてきたんだ……。
そうだよ……私は小南と自分を比べちゃってたんだ……。
私……私……っ!



