「アンタ……小春がここに来て泣いてるの、前から知ってんだよ」
「ウソ……っ」
誰にも……バレてない。
見られてないって思ってたのに……。
だから……私が我慢してること、知ってたの……?
「今までずっと色々我慢して……泣いてたこと、知ってんだよ」
全てを見透かしそうな目で私の目を見た。
「なんで……?」
「屋上は俺の昼寝スポットだから」
昼寝、スポット……。
「最初はなんで泣いてるのかわかんなかった。けど、最近話すようになってからわかったんだ。アンタは紘也や小南のために色々我慢してるんだって」
「………」
「本当は、小南に紘也を取られて悔しいんじゃねぇのか?」
悔しい……か。



