【完】キミに隠した恋するキモチ。







さ、私もさっさと帰ろう。




カバンを持って教室を出る。




「あ」




教室に電子辞書忘れてきちゃった。
はぁ、めんどくさいな……もう昇降口まで来ちゃったのに。




「仕方ない、戻るか」




私は教室に引き返した。





はぁ、ほんと自分がイヤになるよ。
なんでこんなドジなんだろ……。
昔からだけど、さ。




生徒たちがもうほとんどいない廊下は静かで、ため息でも少し響いた。





しかも無駄に教室遠いし4階とか疲れる……1年生をいじめるのはやめてよね……。





「ふぅ」




階段を上りきって、教室の並ぶ廊下を歩く。