「紘也くんって、なんで後藤小春なんかと一緒にいるのー?」
「紘也くん、後藤姉妹と幼なじみらしいから仕方なくいるんじゃなーい?」
「原野くんかわいそ~」
そんな女子の声が聞こえてきた。
はぁ……まただ。
紘也もやっぱり私と一緒にいるの、イヤなのかもな……。
私と一緒にいたら、冷たい目で見られちゃうんだもん。
「あのさ」
すると、紘也の低い声が女子たちに向けられた。
「紘也……?」
「別に俺、小春と無理しているワケじゃないから。好きで小春と一緒にいるんだよ」
紘也の言葉に私も女子たちも唖然とする。
「小春は、大切な幼なじみだからな」
私の頭には紘也の大きくて温かい手が置かれた。
「紘也………」
やっぱり私……紘也が好きだ。
胸がじんじん温かくなるのがわかる。



