「小春、気にしちゃダメだよ」
前から歩いてきた女子生徒2人の会話に、気をつかってきた小南。
「う、うん」
気にするもなにも、事実だから仕方ない。
小南は勉強もスポーツも出来るし、明るくて顔も整っていて女の子らしい。
でも私は勉強もスポーツも人並みで、女子力のカケラもない。
しかも人見知りで話すのもニガテだ。
『本当に双子なの?』
そう言われるのも、慣れっこだった。
「小春、なに食べる?私はカレーうどんかな~」
「うーん……私は普通のうどんにしようかな」
「よし、買いに行こうっ」
食券を買って、列に並ぶ。
「カレーのいい匂いがする!早く食べたい!お腹空いた!」
並びながら、小南が待ちくたびれたように言う。



