「成月くん……会いたいよ……」
「ん、俺のこと呼んだか?」
私の独り言に、聞き覚えのある少し懐かしい声で返事が返ってきた。
振り向くとそこには―――
「……な、りづき……くん」
私の大好きな成月くんがいた。
「ただいま、小春」
「っ……おかえり、なり、づきくん……っ!」
我慢できず、私は涙を流して成月くんに抱き付いた。
「会いたかったよ……っ!ずっと、ずっと、待ってたんだよぉ……」
「ごめんな、あのときは突然黙っていなくなって。でも、もう親父の病気もほぼ回復したから意外とはやく帰ってこれたんだ」
「成月くんのお父さん、無事だったんだ……よかった……っ成月くんも戻ってきてくれてよかった……っ」
人目も気にせず、私は泣いた。
……成月くんの胸の中で。



