「もう、お母さん!そんな小春のこと責めないであげて?小春は小春なりに頑張って疲れてるんだから」
小南がお母さんに向かって言った。
「小春なりに頑張ってる、ねぇ」
お母さんは冷たい目で私を見て、キッチンに入って行った。
「小春、お母さんの言うことなんて無視でいいからねっ」
小南は私を励ますように笑って言った。
あぁ……私、やっぱり小南には勝てないや。
私、小南みたいにこんな優しく出来ないもん。
私は臆病で内気で……小南みたいに笑えない。
いっつも小南に迷惑かけてばっかりだな……私。
「ごめんね、小南……」
「なんで謝るのよ?小春はなにも悪くないじゃん」
「……っ」
悪いんだよ……私が。
私がもっと小南みたいだったら……きっと、お母さんや小南や紘也にも迷惑はかけなかったのにな……。



