【完】キミに隠した恋するキモチ。






すると……。



「はぁ!?なに言ってんの!ほら、一緒に帰るよ!」




「ちょ、小南!」



小南は私にカバンを持たせて、私と紘也の腕を引いた。




「もう……今日の小春、暗すぎ!」



結局3人で帰ることになって、家に帰っていると小南が私に怒鳴った。




「う……っだって……」




「だってじゃない!成月くんが手紙で言ってたじゃない!“俺がいなくても笑顔でいろよ”って……!」




「……っ」




そういえば私、今日1回も笑ってないかもしれない。
頭では笑顔でいようって思ってても、やっぱり笑顔になんてなれない。




「成月くんの分まで……私と紘也が小春のこと、笑顔にするから。ね?紘也」




「お、おう!当たり前だ!」




紘也は変顔をして見せる。




「どうだ!面白いだろ!」




「……っぷ。あはは……っ」




必死な紘也がおかしくて、私は笑った。




そうだ、笑顔だ笑顔。
笑顔でいるのが目標って決めたんだから、笑顔でいなきゃ。




―――笑顔でいればきっと、また成月くんに会える気がした。