腕につけた成月くんからもらったシュシュを見つめる。
最近は髪の毛をセットする時間がなくて、サボってた。
でも……明日からは自分でお団子する練習しよう。
いつか、成月くんにまた会えると願って。
それから午前の授業を終え、昼休みになった。
私はお弁当を持って、屋上に入る。
「……成月くん」
ゆっくり目を閉じて耳をすませる。
鳥のさえずり、風に揺れる木の音、楽しそうにはしゃぐ生徒の声、車の音。
前と同じ音が聞こえる。
成月くんもこの音を聞いているのかな……。
「いただきます……」
1人で地べたに座ってお弁当を食べる。
そしてここに来る前にココアを買ってきた。
成月くんの大好きなココア。
ストローをさして一口飲む。
「甘い……」
甘いのになぜか私には少しほろ苦く感じられた。
まるで……私と成月くんの関係みたいに。



