「成月くんはもう……帰ってこないの……?」
「……その可能性の方が高いかもしれないな」
イヤだ……成月くんにもう会えないなんて。
成月くんのいない生活なんて……考えられないよ……っ!
「実は俺……1週間ぐらい前から知ってたんだ」
紘也は少し震えた声で言った。
「え……?」
「流星がニューヨークに行くかもしれないこと」
「じゃあなんで……っ!」
「流星に小春にだけは言わないでくれって言われたんだよ……っ」
紘也は苦しそうな表情で絞り出したような声で言った。
成月くんが……?
なんで……?
「……これ、昨日流星に小春に渡してくれって言われた」
紘也はカバンの中から封筒を取り出した。
「なに、これ……」
「流星からの……手紙」
私はその封筒を震える手で開いて、中身を取り出した。



