「小春?どうかした?」
私の視線に気が付いた成月くんが私に問いかける。
「あ、わ、な、ななな、なんでもないよ!」
「なに?俺の顔に見惚れてた?」
いつもの無表情で私に聞いてくる。
た、たしかに見惚れてました……。
でも、そんなの言えるはずない。
「ち、違うよ!ボーっとしてたの!」
「冗談だよ、冗談」
焦る私を見て楽しそうに笑った。
じょ、冗談だったんだ……。
無表情で聞いてくるから真剣なのかと……っ!
「な、なんだ……冗談はやめてよねっ!」
「小春ってからかいがいがあるから、つい、からかいたくなんだよ」
「な、なにそれ……」
でもそれって私にちゃんと心を開いてくれてるってことだよね。
嬉しくてにやけそう。



