その姿にキュンとしてしまった私は、相当成月くんに惚れているのかもしれない。
「そ、そうなんだっ!」
「……なに、空になにがあったんだよ」
不思議そうに私の隣に来て、空を見上げる。
「いや、ただ単に飛行機雲があるなぁ~って思っただけだよ!」
「なんだそれ。小春、変なの」
私の言葉にプッとふきだす成月くん。
「へ、変じゃないもん!そういえば最近、空見てなかったから飛行機雲見るのも久々だなぁって」
「へぇ。でも確かに普段は気にかけてないことを気にかけたら、夢中になるときってあるよな」
「え?」
「例えば……耳すませたらさ、鳥のさえずりとか風に揺れる木の音とか聞こえるじゃん。それってなんか不思議じゃね?」
私は目を閉じて耳をすませる。
すると、普段は聞こえない音が聞こえてくる。
鳥のさえずり、風に揺れる木の音、楽しそうにはしゃぐ生徒の声、車の音。



