キーンコーン―――
午前中の授業が終わり、昼休みになった。
私はいつものようにお弁当を持って屋上に向かう。
ギギ―――ッ
少し錆びた屋上の扉を開くと、心地のよい風が私を包み込む。
「んーっ!」
伸びをして空を見上げると、飛行機雲が目に入る。
「飛行機雲………」
「小春、なにしてんの」
「うわぁ!」
いきなり後ろから声がして、驚きの声が出る。
「な、成月くん……っ!今日は私よりも来るの遅かったんだね」
「いやー、今日は食堂にカフェオレ買いに行ってたからさ。すっげぇ混んでたし遅くなった」
そう言って微笑んで私に買ってきたカフェオレを見せる。



