「や……っ!触らないで!」
「小南ちゃん、そんな怖がらなくていいんだよ?俺が大切にしてあげるから」
更科くん……もしかして、私と小南を重ねてる……?
「なんであんな男のところに行ったの?俺の方が小南ちゃんのこと、好きなのに……」
あんな男って、紘也のこと……?
やっぱり私を小南に見立てて話してるんだ……。
「更科くん、目を覚まして……っ」
こんなの、私の知ってる更科くんじゃない。
キーンコーン―――
授業の始まりを知らせるチャイムが鳴る。
ということは、もっと人通りが少なくなる。
「今度こそ、俺のモノになってよ。小南ちゃん」
ニヤッと笑って私の後頭部に手を回して、顔を近づけてくる。
も、もしかして、キスしようとしてる……!?
そんなのヤダ……っ!



