そして教室の前までたどり着いたとき。
私はあることに気が付いた。
「あっ、さっきの教室に筆箱忘れた!!」
さ、最悪だ……。
私ってばドジすぎる……。
「はぁ?小春ってば昔からドジだよなー」
紘也が大きなため息をつく。
「う、うるさいなぁ……」
「ついていってやるよ。紘也、これ俺の机に置いといて」
成月くんが紘也に荷物を渡す。
「いや、成月くん大丈夫だよ!もう時間ないし、成月くんまで遅刻つけられたら悪いもん!」
「でも……」
「大丈夫!更科くんもさすがにもういないだろうし。すぐに行って帰ってくる!」
私は紘也に荷物を渡して、さっきの教室まで引き返す。
走らなきゃ、間に合わないなこれ……。



