「小南、どうかした?」
私が顔を覗き込むと、小南は我にかえったようにハッとした。
「あ、ううん!なんでもないよ」
「………?」
気のせい、かな?
………あ、そういえば紘也に好きな人いるか聞いといてって言われたんだっけ。
「ねぇ、小南」
「ん?」
「小南って……好きな人とか、いる?」
そう言いながらソファに座っていた小南の隣に座る。
小南にもし、好きな人がいたら……紘也の恋は叶わないってことだよね?
こんな風に思うのはダメだってわかってるけど……やっぱり、少しは思ってしまう。
紘也の恋が叶いませんようにって。



