「……あ！そういえば小南に頼まれてたことがあったんだった」
紘也が手を叩いて言った。
「小春さ、最近更科と仲いいだろ？」
「仲良いというか……まぁ、話すけど」
「小南が言ってたんだ。更科には気を付けるように言えって」
そういえば昨日、そのことで喧嘩になったんだっけ。
「なんでなの？小南、昨日全然教えてくれなくて……」
「あぁ、それなんだけど……更科は前に小南のことが好きすぎて、告白を断ってもしつこく言い寄ってきたらしくてさ」
更科くんが……？
あんなにいい人そうなのに……？
「たぶん、そのこと言ったら小春が心配するって思ったから、あんまり言いたくなかったんだと思う」
「そう、だったんだ……」
「とにかく、危機感持って更科と接するようにしろよ？」
「う、うん」
小南……そんなことまで抱えてたんだ……。
全く知らなかった。
