「うん、わかったよ」
「さんきゅ!ちゃんと聞いてきてくれたらお礼するからなっ!」
自分の気持ちに鍵をかけよう。
紘也が幸せになるなら自分の幸せなんて、どうだっていいじゃん。
だから……この気持ちを言葉に出したりしない。絶対。
紘也の恋を応援しよう……精一杯。
そう自分に言い聞かせた。
「じゃ、駅前のカフェの特大パフェね!」
「はぁ~?お前そんなの食ったら太るぞー?」
「う、うるさいなぁ……」
「ははっ、冗談だって。奢ってやるよ」
「やったーっ!」
紘也とはこうやって笑いあっている方がいいのかもしれない。
これからもこうやって、幼なじみとして一緒にいた方が……いいのかな。
「じゃあちゃんと聞いてこいよ」
「りょーかい!」
私は精一杯の笑顔で言った。



