やっぱり、紘也は小南が好きで……私なんて眼中にないんだ。
わかってたのに……涙がこぼれそうになった。
「相談にのってもらっていいか?小春」
「う、うん……っ!」
私が「イヤだ」なんて言えるはずもなく。
私がうなずいたのを見て嬉しそうに笑う紘也を見ていると、胸がチクチクした。
でも……私には紘也の恋を応援することしかできない。
好きな人の幸せを願うのは当然だもん。
いくら自分が幸せになれなくても。
「じゃあ早速なんだけど、さ。小南に好きな人っている?」
小南に好きな人、か。
聞いたことないかもしれない。
小南はよく告白されてるけどOKしたのを見たことがない。
「ん~……わかんない。小南、告白されても付き合ったことないからなぁ……」
「だよな~……小南の恋愛事情なんて聞いたことねぇし。っつーことで聞いてきて、小春」
「え!?私が?」
「当たり前だろ?相談相手なんだから、少しぐらい協力しろよ」
そっか、相談相手になってってことは協力しなくちゃいけないんだ。
たとえ、それが自分の不幸だとしても。
仕方ない、自分が相談相手になるって言っちゃったんだから。



