「あ……っ、ごめんなさい!どうぞ!」
私はその牛乳を男の人に譲る。
この人もこの牛乳買おうとしてたんだ……!
「いや、大丈夫だよ。僕は違うの買うから」
「えぇ!で、でも……」
「いいんだよ、遠慮しなくて」
その男の人の笑顔はとても優しくて……なんだか、誰かに似てる気がする。
「じゃ、じゃあ、お言葉に甘えて……」
すごくいい人だ……感謝しないと。
「その制服は……もしかして、東高かな?」
牛乳を手に取る私を見て、男の人が言った。
「はい、そうです」
「実はうちの息子も東高で……」
「おい、親父!勝手に行動すんなって言って……」
男の人がなにか言いかけたとき、やってきたのは……。



