キーンコーン―――
1時間目が終わると、更科くんが私の席へやってきた。
「小テスト、結局なかったね」
「うん……そうだね。せっかく更科くんに教えてもらったのに……あ、でも練習問題に答えられたよ!」
「ちゃんと答えられてたね。俺も嬉しくなったよ」
「更科くんのおかげだよ!ありがとう」
「いやいや、小春ちゃんの理解力があったからだよ」
ふわっと優しい笑顔で笑った更科くん。
いい人すぎる……!
「あれ、小春髪の毛下ろしたんだ?」
すると、小南が私と更科くんの横を通るときに話しかけてきた。
「うん、そうなんだ。せっかくセットしてくれたのにごめんね?」
「ううん、下ろしてるのも似合って……る」
小南は私の隣に更科くんがいるのを見ると、少し動揺しているように見えた。



