「ただ……小春を色んなヤツが見るようになったのがイヤになっただけ、だし」
「えっ!?」
「その……更科とか」
頬を少し赤くした成月くんはそう言って抱きしめる力を少し強めた。
「更科くん………?」
「まだわかんねぇの?だから……小春が本当は可愛いってこと、俺だけが知っていたかったって思ったんだよ……っ」
「……っ!」
それってもしかして………。
「成月くん、それって……っ」
「……よし、教室戻るぞ」
成月くんは私の質問を最後まで聞かず、立ち上がってそう言った。
「はい、これ。ほどいてごめんな。でも、下ろしてるのも可愛いと思うけど」
私とは目を合わせずにぶっきらぼうにシュシュを返してきた。



