2人を見ていると胸が苦しくなる。
小南に嫉妬なんてしたくない……けど、紘也が好きなんだもん。
小南はいつもそうだ。
容姿、明るくて前向きな性格、頭脳明晰、私が持っていないものを全て兼ね備えていて……。
私がほしいものを何でも手に入れることが出来ていた。
いつもテストでいい点数取って褒め言葉をもらえるのも、おねだりすると何でも買ってもらえるのも、可愛がられるのも、そして……私の好きな人の心を奪うのも。
全部、小南だ。
お母さんも他の人もみんな、小南とは違ってなんの才能もない私に冷たい目を向けるんだ。
「仕方ない」
そう言い聞かせて今まで生きてきたんだ。
もうこれ以上2人を見ていると気が狂いそうで、席に着いて机に伏せた。
あーあ、私がもっと可愛くて、明るくて、頭がよかったら……こんな想いしなくて済んだのかな……。
―――しばらくすると、私は眠りに落ちた。



