―――放課後。
「紘也、成月くんは?」
「流星ならさっきすっげぇ速さで教室出てったよ」
お父さんのことよほど心配なんだ……。
“ばいばい!ぐらい言いたかったなぁ……。
「そっか……」
「お父さん、また倒れたみたいだしな。アイツ、お父さんのこと大切に思ってるから……」
「やっぱりそうなんだね」
きっと成月くんは唯一の家族のお父さんが大切なんだ。
「じゃ、俺、小南とデートしてくるから」
「うん、また明日ね」
紘也は嬉しそうに小南のところへ行ってしまった。
いいなぁ、デート。
私もいつかは彼氏が出来て、デートしたり、手繋いだりするのかな?
そういえば私、もう紘也と小南に対して変な嫉妬心もなくなってる……。
2人が付き合いたての頃はすごく悔しくて、2人が一緒にいるとすごく悲しかったのに……。



