「成月くん、まだ屋上にいなかったんだ!よかった~待たせてなかったみたいで」
「俺も今から行こうとしてたとこ。つーか、小春。女子たちに昼ごはん誘われてたのに……アイツらと食べなくてよかったのか?」
み、見てたんだ……あの女の子たちとの会話。
「うん、いいの!私は成月くんと昼休み過ごしたいからさっ!」
私にとって成月くんはかけがえのない、一番の友達だ。
成月くんはどう思ってるかわかんないけど、少なくとも私はそう思っている。
「………そっか。じゃ、行くか」
………てか。
さっきの女の子たちとの会話見られてたってことは……!
成月くんと付き合ってるとか冷やかされてたの、見られてた!?
は、恥ずかしい……。
下を向いたまま、成月くんの少し後ろをついていく。
ガタン―――
屋上に入った瞬間、いつものように涼しい風が吹いた。



