「ぶ、ブサイクじゃないよ!可愛いじゃん!」
「はいはい、わかったから。じゃ、また明日な」
「うん、ばいばい!」
成月くんに手を振って、背中を向けて歩きだした。
「……今日は楽しかったな」
楽しかったからかな?
すごく時間が過ぎるのがはやかった気がする。
さっき家出たばっかりって感じがする。
楽しい時間ってこんなにもあっという間なんだな……。
成月くんがくくってくれた髪の毛をほどいて、シュシュを手に持った。
ふふ、明日から少しでもなにかが変わればいいな。
少しずつでいいから……。
「ただいまー」
家に入ると、いつもみたいに小南が出てきた。
「小春、おかえり!どうだった?友達とのお出かけは」
「すっごく楽しかったよ~!」
私が笑うと、小南も嬉しそうに笑った。