迷っていると、ふとあるぬいぐるみが目に入った。
「あれ……あれ可愛い!」
私が指をさしたのは、タヌキのにぬいぐるみだった。
目がうるっとしてて思わず目を奪われた。
「小春だったらウサギとかクマとか選ぶのかと思ったら……タヌキか」
「だってあのタヌキ見て!目がうるうるしてて可愛いし癒される!」
「ほんと子どもみてぇ」
成月くんはブツブツ言いながらも、UFOキャッチャーの中にお金を入れた。
絶妙な角度と位置に動かし、しっかりタヌキを掴んでUFOは出口に向かう。
そして―――
「わ、成月くんすごい!」
UFOが掴んだタヌキが落ちるときに違うタヌキに当たって、2つ一気にとれた。
「ほい」
私にタヌキのぬいぐるみを2つ渡す。



