短篇集




『あっ!!』



下駄箱につくなり大きな声を出す私。



ノート忘れた…。それもただのノートじゃない。彼との出来事を綴ってあるノートだ。


机の奥のほうに入れてた為、すっかり忘れてた。あんなの見られたら恥ずかしくて学校これない!!



「紗奈、どうしたの?」




心配そうに覗きこむ彼にキュンとくるもいまはあのノート優先。



『ごめん、忘れ物しちゃったの。少し待ってて!!』




彼なら 俺も行く と言うだろう。



有無をいわさず教室まで全速力で走る。



ドアを開けるとそこには男の子がひとり。



はぁはぁ、と息を切らす私を見て肩を揺らしていた。



人がいたなんて予想外。この人絶対笑ってるよね。



『あの…もしかして笑ってます?』



深呼吸をしてゆっくり聞いてみると、その人はある一冊のノートを差し出してきた。



「“今日は、初めてのデート。何を話せばいいんだろう。…キスとかしちゃうのかなっ?あー恥ずかしい!!”お前のほうが恥ずかしいよ」



これは一ページ目の初デート前日、と言う題の日記。よく覚えたなこの人…。



『って、そうじゃない!!!』



目の前にあるノートを奪いかえそうと手をかけようとすると一瞬にして消えてしまった。



こいつが上にあげたからだ。



彼が来る前になんとかしないと…。