「はぁー。楽しかったな」
「そうだね」
帰り道、みんなが歩く後を私と茜はゆっくり歩いた。
「そういえば、さっきの願い事の意味って何?」
「ん?そのまんまだけど」
「じゃあさ、私も同じ気持ち」
「...そっか」
その後すぐに感じた頭の温もり。
茜の手だって気づくのに時間がかかった。
その温もりが左右に揺れる。
「今はまだ早い。けど、いつか必ず...」
その言葉を聞いて私はそっと微笑んだ。
お互いの手は今もまた繋がっている。
「今は待つよ」
静かな夏の夜、私と茜は小さな約束を交わした。
それは2人だけが知る秘密。
星々の輝きがそっと2人を照らしていた......。
<第1部完>


