「ねぇ、どうしたの?みんないつも手ぶらで来るのに...」
すると茜は、呆れたように微笑んだ。
「まったく。憶えてないのか?今日はお前の...」
...あ。
思い出した。
「8月9日は、...私の誕生日」
忘れてた。今日が私の誕生日だってこと。
「そんで、俺たちの親から、今日は頑張った綾花ちゃんと一緒にお祝いしてきなさいって言われたんだ」
「でもお前はそれだけじゃないだろ、アカネちゃん?」
「うるせー」
カイちゃんが茶化すと茜は夕日に負けないぐらい真っ赤になった。
あ、可愛い。
不覚にもそう思ってしまった。


