恋なんて、できないと思ってたんだ。

「…俺な、こんな顔だろ?あと、この髪も地毛なんだ。ふわふわの茶髪。

…なんか、女みてぇだろ?だからな、男には、仲間はずれにされてたんだ。

女は俺を褒めて、俺に近づいてくる。

でも、その中で、俺自身を見てくれてた奴は一人もいねぇ。

みんな、俺の容姿しか見てなかった。


あと、俺キレやすいんだ。

生意気なんだってよ。

小学生の低学年頃からずっと言われてて。

俺、弟がいるんだけどな。

弟、陽太(ヒナタ)っていうんだ。

ヒナタはな、素直でかわいくて。

俺とは全然違うって。

比べられてた。俺は母さんに好かれなかった。


むしろ、嫌われてた。


だからな、好かれるように、自分を作ったんだ。