ーー代田 紀美華ーー

ドンッ

っ!いった

「は、八王子先輩!?」

この状況って壁ドン!?

「なに?」

いや、なに?ってニッコリ言われても...

顔近いし...

「離れてください!」

力いっぱい押すけどビクともしない

「えーやだなぁ」

なんだ!?その子供みたいな発言

「なんでですか!?」

「ここまでやってわかんない?」

なにが!?

いや、全くわからないんですけど

「わかりません...」

「はぁー。そんなに鈍感なんだ。俺は紀美華ちゃんが好きって言いたいの♪」

へぇー....は?はぁぁぁぁぁぁぁ?

学校1のモテモテさんが私のこと好き?

絶対にふざけてる

「ふざけないでくださいキレますよ」

「怖いこと言わないでよ〜俺は本気!」

「なんで私なんですか?他にも可愛い子がいるじゃないですか」

「やっぱり気付いてないかもしれないけどさ、紀美華ちゃんはこの学校で有紗ちゃんと1、2を争う子なんだよ?」

「うえぇ!?なんですかそれ...」

「だから俺は紀美華ちゃんが好きなの♪」

「そんなちゃらちゃらした発言で信じると思いますか?」

絶対に誰だって信じない

「あれ〜?僕が大体告白すると誰でもOKするんだけどな〜」

しるかっ!そんなもん私を誰かと一緒にするな!

「知りませんよ。ていうか、離してください!」

なんか顔がだんだんと近くなってるし

「行動で示さないとわからない?」

悪魔な笑を浮かべながら顔を近づけて来る八王子先輩...

「嫌ですっ!離し」

バンッ!

え?

私が話終わる前に大きく開けれたドア

しかも開けた人が赤沢

「あ、赤沢?」

ガンッ

「ゔっ...」

「何やってんの赤沢!」

赤沢は私を壁ドンしてた八王子先輩をいきなり殴った

「先輩」

いつもより声が低い....

「紀美華にてぇ出さないでください...」

えっ?

なんでそんなこというんだろう...

「あぁ...わかったよ...」

そう言って俯く先輩

「行くぞ紀美華」

「え?あ、うん」

なんで赤沢??

頭に?が浮かんだまま空き教室に連れてこられた私

「...」

しばらくの沈黙

「紀美華」

「は、はぁい!」

いきなり低い声でしかも名前で呼ばれてビックリ...

「お前、バカ?」

「はい......ってはぁ!?」

なんで私が馬鹿なんですか!?

「あのな、図書室で男と2人っきりになるってどうよ」

「.........?」

「はぁー。今さっき体験したばっかりだぞ紀美華」

うーん...

「あっ!わかった!壁ドンされる!」

「......1回宇宙に飛ばすよ?」

「えぇ!?なんで!?」

わかんないのに衝撃発言された...

「あのな、壁ドンで済んで良かったものの俺がいなかったらどうなってたかわかるか?」

「まぁなんとなく...」

「だからこれからは俺に声かけて行けよ」

「え?なんで?」

「わ・か・っ・た・?」

「はい。わかりました...」

「これ罰ね」

バッチン!

私の額にデコピンをしてきた赤沢

「いったぁ!本気でデコピンしなくてもいいじゃん!?」

「うるせー」

コンコン

誰かが空き教室のドアをたたいた。

「あ、あのっ!」

入って来たのは知らない男子

「どうしたんですか?」

迷ったのかな?

「紀美華さん!明日の放課後図書室に来てくださいっ!」

それだけ言って走り去ってしまった男子

赤沢は明らかに機嫌が悪い...

ってまたぁ!?