矢野さん

「祐子お疲れー早く座りなよ」

 先に来ていたボブの子が祐子さんに座るように促す。

 祐子さんは「うん」と返事をすると、奥から詰める様にボブの子の隣に座った。

 ――!?

 ちょっと待てー!!

 祐子さんの向かいに座って居るのは俺ではなく赤崎。

 端に座った俺の前には残った空席。

 ちょっ!マジ?マジなの!?嘘だろ!?

 そんなぁー!!課長に怒られる覚悟でここに来たんだ!相手するなら美人がいいよー可愛い子がいいよー!

 心の中で半泣きになりながらも、顔には一切出さずお得意のポーカーフェイス。

 ゆっくり椅子を引いて俺の向かいに残念な女が座る。

 心の中では、その女に帰れコールを送り続けた。