矢野さん

「え?」

「俺も矢野さんにお礼がしたいんだ。応急処置してくれたお礼……」

「いりません!助けて貰ったのは私なのに、そんな事されたら困ります!」

「一緒だろ。俺も矢野さんに助けて貰ったんだ。お礼させてくれなきゃ俺も困る」

「でも……」

「はいはい文句言わずにさっさと決めてきてー」

 躊躇う矢野の背中を強引に押しながら店に入った。

 矢野は俺に申し訳なさそうな顔をすると、ゆっくりと店の奥へ入っていった。

 暫くして矢野が戻ってくると、小さな箱を持っていた。

「決まった?」

「はい」

 矢野が選んだ物を受け取る。