矢野さん

「あ、うまっ」

 サンドイッチを一口食べて思わず言葉がでた。

 レタスとタマゴがたっぷり入っただけのシンプルなサンドイッチだったが、出来立てでタマゴがまだ温かくレタスも新鮮でシャキシャキ感がありとても美味しかった。

「よかったです。お口にあって」

 矢野はホッとした顔をしてワッフルを頬張った。

 その顔は幸せいっぱいと言わんばかりの顔で本当に嬉しそうにワッフルを食べる。

 なんだかこっちまで嬉しくなる感じがして思わず笑ってしまった。

「……今日よく笑いますね」

 そんな俺の様子に矢野がそう言った。

「……なに?また笑顔が気持ち悪いとかいうの?」

 勘弁してくれ――これで3度目だぞ……。
 
「いえ……その方がいいと思います」

 ……?

 矢野が何を言ってるのかわからない――。

「その方が?」

 キョトンとする俺に矢野が言う。

「自然に笑っている橘さんは素敵だと思います」