矢野さん

 ここから少し離れた所にサンドイッチの美味しい喫茶店があると矢野が言うので、二人で歩いて行く事にした。

 そこで気付いた事がある――。

 俺の一歩はどうやら矢野にとって二歩らしい。

 身長が低い矢野の一歩は小さい。俺のペースで歩くと矢野を置いていってしまう――。

 そう言えば前に送るときペースを落としてくださいって怒ってたな……。

 その時はイライラして気が回らなかったけど、今なら矢野が怒った理由がなんだかわかった気がする。

 隣を歩く矢野を見ると俺の顎ぐらいの高さに結われたお団子があった。

 改めて並ぶと矢野の小ささがわかる――。