矢野さん

「矢野さんこっちこっち」

 後ろを振り返り、残り最後の美人を呼ぶ祐子さん。

 最後の人はどんな感じだろう……。

 あーマジで今日残業しなくてよかったー!月曜課長に怒られてもいいや!今日が良ければ全てよし!!

 今日は盛り上がって行くぜー!!ヒャッホー!!

 完全にテンションが上がった俺は、今か今かと最後の美人を待った。

 そして祐子さんの後ろから現れたのは淡いピンクのニットワンピースを着た、びじ………………ん?

 んん?視界が悪いのか俺の目が悪くなったのか……。

 現れたのは美人……ではなく、ちょっと残念な顔をした女性。

 目はパッチリしているが童顔で少しだんご鼻。長い黒髪は白のシュシュで一つ横に束ねられている。身長も150あるかないかの低さだ。

 しかも美人の祐子さんと並ぶとかなり残念な女性に見える上、見事に祐子さんが美しく際立っている。

 あれ?祐子さん?連れてくる人、間違ってません……?