矢野さん

 吉澤いいなー。一番奥に座ればよかった。動きやすい様に廊下側に座ったの失敗したかも。

 でも……あと2人も美人だって言うし、まぁいっか!

 そう浮かれ気分でいると――。

「吉澤君。ごめーん。遅くなっちゃった」

 すぐ近くで明るい女性の声がして顔を向ける。

 そこには、スラッとした細くて長い脚にスキニージーンズがよく似合った女性が立っていた。

 胸まである明るめの髪は綺麗に巻かれていて、切れ長の目で鼻筋が通った美人。

 うぉ!マジか!モデル!?

 高身長でスタイルがいい女性は右手を顔の前で立て、吉澤にごめんのポーズする。

「どうぞ祐子さん。座って」

 吉澤が笑顔でモデル美人に空いた席へ座るように促す。

 どうやらこの人が女性陣の幹事らしい。

 今日のコンパ、マジ最強ウルトラスーパー超ドリーム並みに当たりじゃん!!

 すっげー!吉澤すげーよお前!!

 今日からアイツの事はコンパの神様として崇め奉ろう。

 そう思うと、頭の中で吉澤に向かって手を当て南無南無と拝んだ。