矢野さん

「……」


 や…………。


 やられた……。


 まさかこのタイミングでキスしてくるとは……。


 照れ臭さを隠す為、右手で口元を覆うと矢野から視線を外す。


「あー……早すぎてよくわかんなかったから、もう一回して」


「え?」


 チラッと矢野に視線を向けた俺と目が合うと、顔を赤らめたまま矢野が視線をはずした。


「ダ、ダメ……」


「なんで?」


「1日……1回……」


 ボソッと呟くように言った矢野の言葉に目がテンになる。


 な――なんじゃそらー!!


 どんだけこの日を待っていたと思ってんだ!!