矢野さん

「あのね、まだプレゼントあるの」


「え?」


 矢野は頬を染めて手をモジモジさせながら俺から視線を外すと――。


「目……瞑ってくれる?」


 と小さな声でお願いをしてきた。


 ――!?


 こ、これは!!まさか――!!念願の!?


 キッッスゥゥウウ!?


 思わず目を丸くすると、照れて少し俯く矢野を凝視する。

 普通に目を閉じたらいいのか!?キスしやすいに唇は尖らすべきか!?


 いや!それは明らかに変だよな……!むしろキモイ。てか、30手前の男がたかがキスで何焦ってんだ!?


「橘さん。早く」


 なかなか目を瞑らない俺に矢野は恥ずかしそうに催促をした。


「あ、ああ……」