矢野さん

 昨日はあの後、イルミネーションを見て食事に行こうとしたが、急遽病院から応援要請が来て矢野は病院に戻った。


 せっかくのクリスマスデートだったのに……。


 矢野も申し訳なさそうにしていたが、こればかりは仕方ないので何も言えなかった。


 キスだけでもしとけばよかった……。

 チッ――と心の中で舌打ちをする。


 まぁいい。もう自分の彼女なんだし、いつでもキスぐらいできるさ。


 そう思うと、フッと鼻で笑うと項垂れる赤崎を引きずって部署に戻った。


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 一週間後――。


「いやです」


「……」


 矢野は明らかに嫌そうな顔をして俺の顔の前で右手をだし、これ以上近づくなと制止している。


「……なんで?」


「付き合って1週間でキスするなんて、まだ早すぎます」


 少し怒った口調で矢野はそう言うと、睨む様に俺をジッと見つめる。