矢野さん

 俺と矢野の視線がぶつかる――。


 驚いた顔をしたまま俺を見つめる矢野にフッと微笑すると、矢野が息をのむのがわかった。


「……好きだよ。付き合おう」


 真剣な瞳でそう言うと、矢野は目を丸くした。


「ほ……本気……ですか?」


 矢野は固まって目を丸くしたまま震える声で聞いてきた。


「本気じゃなかったら2回も告白しない」


 笑いながらそう言うが、矢野は未だ固まって微動だにしない。


「俺の事、好きなら断る理由ないよね?」


 イタズラっぽく笑って聞くと、矢野の目が泳ぎだす。


「え……あっ……えーと……ホントに……私でいいんですか?」


 オドオドした感じでそう言うと、不安げな瞳で俺を見つめた。


「うん」


「ホントに……?」


「ああ」


「冗談とかじゃないですよね?」


「冗談じゃない」


「やっぱり止めたーとかないですか?」


「ない」