それを聞いた赤崎は一瞬キョトンとして直ぐに笑った。


「何が可笑しいんだよ」


 ジロッと睨むように赤崎を見る。


「いや、そんなにイライラするなら自分から連絡すればいいじゃん」


「……」


「喧嘩したの?もしかしたら矢野さんも、お前に連絡しにくいんじゃないの?」


 赤崎はそう言うと、再びうどんを食べだした。


 あんな事があって矢野が俺への想いに冷めたのかなと、ふと思った。


 俺が口走った最低な言葉は、看護師の矢野にとっては特に許しがたい事だったと思う。


 殴られて当たり前だ……。


 だが、アイツを助けた後、矢野はアイツとどうなったんだ……?。少しでもアイツに気持ちが残っているのかと不安に思っている自分がいる。


「……」


 ……ああー!考えただけで益々イライラしてきた!


 そうだ!赤崎が言ったように待ってるだけじゃダメだ。


 会いに行こう――!矢野に!


 そう決心すると、止めていた箸を再び動かした。