矢野さん

 思う存分遊園地を楽しむと、園内にあるカフェでゆっくり二人で過ごした。


「もうすぐ4時ですね。そろそろ出ますか?」


 矢野が携帯を見てそう言うと、向かいでコーヒーを飲む俺を見る。


「そうだね」


 そう言うと、飲み終わったコーヒーカップを置いた。


「あの……」


 矢野は照れたように少し俯いて、俺から視線を外す。


「今日は楽しかったです。ありがとうございました。それであの……また会ってくれますか?……今度は始めから二人で……」


 恥ずかしさからか、矢野はそう言うと完全に俯いた。


「……」


 何て答えたらいい……?


 正直、今日だけでは矢野への気持ちがどうなのかわからなかった。


 でも今日は楽しかった。笑う矢野が見れて嬉しかった。


 また会いたいと言う気持ちはある……。


 会い続ければ、おのずと自分の気持ちが見えてくるのだろうか……。