矢野さん

「よーし、じゃあここからは別行動にしよう!俺は祐子さんと橘は矢野さんと。夕方4時ぐらいに出口に集合な」


 ――!?


 振り返って赤崎がそう言うと、「じゃあまた後で!」と笑顔で祐子さんと立ち去ろうとする赤崎の腕を慌てて掴む。


 矢野と祐子さんに聞こえないように耳打ちするように小声で赤崎に話す。


「待て!来て早々二人はキツイ。仲を取り繕ってくれよ」


 そんな俺の必死の願いも虚しく――。


「やだ」


 と、赤崎は笑う。


「頑張れよ。矢野さんと一日遊べる日ってなかなかないんだぞ。彼女達って平日休み多いんだし。貴重な一日大事にしろ」


 そう小声で赤崎が言うと、「じゃあまた後でなー」と祐子さんと歩き出した。


 アイツ~。ここまで来させて投げやりかよ!腹立つー!


 離れて行く赤崎の後ろ姿を睨んでいると矢野が話しかけてきた。