矢野さん

――――――――――
――――――


 最寄りの電車に乗り20分ほどした所にある遊園地に着いた。


 赤崎のテンションが上がると、祐子さんとそれはもう楽しそうに話をしながら前を歩く後ろ姿を見て俺は確信した。


 赤崎はきっと矢野と俺の事をダシにして、祐子さんと遊びたかったんだと。


 誕生日プレゼントも一人で渡せない奴がデートに誘える訳がない。今までの飲みも祐子さんに聞くと二人では飲んだことないって言ってた。


「……」


 ア~イ~ツ~!


 最もらしい事言っといて俺の為じゃなく自分の為だったのか!完全に騙された。


 と、言っても……。さっきの赤崎が言った事も間違いじゃない……。


 仕方ない……ここは目を瞑ろう……。


 だけど……どうしたものか……。


 楽しそうにしている赤崎と祐子さんの後ろ姿を眺めながら歩く俺の3歩ほど後ろを、矢野が小走りで付いてくる。


 何か話しかけた方がいいのか……?


 何を?なんて?どうしたらいい?


 ぐるぐる頭の中でそんな事を考えていると、前を歩く赤崎が止まった。